疾患情報集

疾患詳細

急性中耳炎

 

中耳腔に起こる経耳管感染による急性炎症です。

 

疾患原因

・0歳から5歳までの乳幼児によく起こります。
・冬から春にかけて多く見られます。
・風邪の症状のあとに耳が痛くなったり、耳だれが出たりしてはじまります。
・耳やのどのバイ菌が耳管(鼻と耳をつなぐ管)から進入して起こります。
・原因となる細菌はインフルエンザ菌や肺炎球菌が多くみられますが、最近は抗生物質が効きにくい、耐性菌による感染が増えています(BLNAR:耐性インフルエンザ菌、DRSP:多剤耐性肺炎球菌など)

 

症状解説

 

・炎症が続く場合は、細菌培養検査を行い、原因となっている病原菌を調べる必要があります。
・治療は抗生物質の内服や点耳(耳にクスリを入れる治療)、痛み止めの内服、座薬などで行います。
・炎症が強く、鼓膜が強く腫れているときは鼓膜切開(鼓膜を切って膿を出す治療)を行います。膿が出れば痛みがおさ まり、治りも早くなります。
・炎症が重症化すると耳の後ろが腫れたり(急性乳様突起炎)、髄膜炎を起こしたりすることもあります(耳性頭蓋内合併症)

 

治療法と注意点

 

・耳の治療と同時に鼻やのどの治療も行います。                        
・夜中に痛がったときは、とりあえず座薬を入れて、翌日、耳鼻科医を受診しましょう。
・赤ちゃんは痛みを訴えられないので、風邪の後には「耳に手をやる」などのしぐさや、「耳だれ」に注意しましょう。
・痛みがとれても炎症は続いていますので、医師の指示に従って治療を続けて下さい。
・適切な治療を受ければ1、2週間で治ります。
・急性中耳炎を繰り返すとクセになり、滲出性中耳炎になり易くなります。
・大人で急性中耳炎を起こすと、めまいや耳鳴りを起こすことがあります。
・とくにそれまで中耳炎をしたことのない人は時に重症化して完全治癒までに数ヶ月を要することがあります。

 

右急性中耳炎で鼓膜が腫脹し水疱形成が見られる
右急性中耳炎で鼓膜が腫脹し水疱形成が見られる

左急性中耳炎の鼓膜
左急性中耳炎の鼓膜

 

関連疾患(細目)

 

反復性中耳炎

急性乳様突起炎

滲出性中耳炎

慢性中耳炎

 

 

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