疾患情報集

疾患詳細

アレルギー性鼻炎

 

・鼻アレルギーは従来、アレルギー性鼻炎と呼ばれていたもので、鼻の粘膜が過敏になり、くしゃみ、鼻水(水溶性鼻漏)、鼻づまり(鼻閉)が起きます。

 

疾患原因

・鼻アレルギーは空気中の様々な刺激物(抗原)が原因となって起きます。
・花粉が抗原となっているものは花粉症といわれています。春のスギ(木性)、初夏のカモガヤ、秋のブタクサ、ヨモギ(草性)などが代表的な花粉症です。
・花粉症は毎年決まった時期にその抗原にさらされることにより、次第に刺激されて(感作)、ある閾値に達すると発症します。多くは20歳前後からみられます。
・小児にみられる鼻アレルギーはアトピー性皮膚炎や、気管支喘息などのアレルギー体質を持つ児童に起きやすく、抗原はたいてい家のホコリ(ハウスダスト)やダニです。
・花粉症は花粉の飛散する時期だけ症状がでます(季節性アレルギー)。
・ハウスダストが原因のものは一年中症状があります(通年性アレルギー)。特に部屋を閉め切ることが多い、夏のエアコン使用期間や冬の暖房時期に症状が強くなります。
・何が自分の抗原になっているかは、血液検査をすると約1週間でわかります(特異的IgE 測定法)。

 

症状解説

 

・症状は主にくしゃみ・鼻汁型と鼻閉型に分けられます。
・症状の出方は年齢や季節、アレルギーの原因となる物質、体質によって異なります。

 

治療法と注意点

 

・花粉症では、原因となっている抗原にさらされないようにしましょう。外出時にはマスクをして、家に帰ったらよくうがいをします。
・ハウスダストが原因のものでは家の中のジュウタンやタタミをよく掃除して、ほこりを防ぎましょう。ダニの駆除も大事です。
・治療は鼻のネブライザー(吸入療法)と抗アレルギー剤の内服やステロイド、抗アレルギー剤、血管収縮剤の点鼻が主体です。
・抗アレルギー剤はアレルギーの反応を抑えるもので、作用機序によりいろいろな種類があります。
・抗アレルギー剤の中には眠くなったりするものがあるので、医師と相談して自分にあったものを使用します。また、妊娠中の内服は避けましょう。
・効果が出ると2、3カ月で症状が気にならなくなります。
・血管収縮剤は速効性がありますが、長期に渡り連用すると、粘膜が痛んできます(肥厚性鼻炎)。
・花粉症などで特に症状が強い時期はステロイド剤の内服を併用します。これは即効性がありよく効きますが、時に体がむくむなどの副作用もあるので、使用する場合は医師とよく相談して、長期に漫然と使用しないようにしましょう。
・花粉症では花粉の飛散し始める季節の少し前から治療を始めると、あまり症状がでないですみます
(初期療法)。
・これらの保存療法を長期に行っても効果がない場合は、アレルギーのために浮腫(むくみ)になった鼻の粘膜表面をレーザーで処理する方法もあります(30分ほどの日帰りレーザー手術)。

 

通年性の浮腫状鼻粘膜
通年性の浮腫状鼻粘膜

スギ花粉症の赤くなった鼻粘膜
スギ花粉症の赤くなった鼻粘膜

 

関連疾患(細目)

 

花粉症
血管運動性鼻炎
好酸球性鼻炎
肥厚性鼻炎
薬剤性鼻炎

 

 

ホーム疾患情報集疾患情報 > アレルギー性鼻炎