統合医療

ハーブと医療

ハーブ

ハーブというのは、ハーブティーとして香りを楽しんだり、お料理のスパイスとして利用するなど嗜好品として認知されていますが、メディカルハーブは健康の維持増進、疾病の予防、治療などで用いる、機能を有するハーブを意味します。

 

実際、医薬品の原材料の四分の一が植物由来のものです。

お薬には、この病気にはこのお薬という関係、例えば熱があればこの解熱剤という1対1の関係がありますが、ハーブには1つのハーブに多様性があるのが特徴です。

 

ここでは、メディカルハーブのさわりとして、特に匂いと香りについてご紹介します。

香りをかぐ

乾燥ハーブ

■ ハーブに代表されるような、ものの香りをかぐことは「香りを楽しむ」ことに代表されるように生活の中で重要な感覚の一つです。

 

■ 香り(匂い)がわからないと食べ物の味もうまく感じることができず、生活は文字通り、味気ないものになってしまいます。

 

■ また、ガス漏れや腐敗した食物、毒性のある刺激性ガスなどの感知に遅れ、時に生命に危険が及ぶこともあります。
では、この匂いを感じる仕組みはどうなっているのでしょうか?

匂いを感じるしくみ

乾燥ハーブ

■ 匂いを感じる感覚器は嗅覚(きゅうかく)と呼ばれます。

 

■ 鼻の奥には鼻腔と呼ばれる空洞があり、その後上方には嗅粘膜があります。空気の中に含まれる匂い物質(嗅素)は吸気によってこの部分まで運ばれ、嗅細胞によって感知されます。この刺激によって嗅神経が興奮し、電気信号として大脳の匂い中枢に伝達され、匂いを感じます。匂いがわからなくなった状態を嗅覚障害といいます。

風味との関係

乾燥ハーブ

■ 匂いがわからなくなると、約半分の人が風味も障害されます。これは食物の味(いわゆる風味)というものが、4つの基本味覚(塩、酸、甘、苦)と共に、匂い、味、舌ざわり、歯ざわり、温度、色、形、音、固さなどを総合して感じ取られているからです。

 

■ この中で匂いの感覚はかなり重要な要素を占めます。たいていの人は、鼻をつまんですりつぶしたサツマイモとバナナを食べると、ほとんど区別はつきません。

ハーブの香りと病気の治療(アロマテラピー)

乾燥ハーブ

■ 薬草の香りをかぐことにより、心身をリラックスをさせ、様々な病気の治療に役立てようとする試みがアロマテラピーの目的のひとつです。

 

■ これは匂いが嗅細胞を通じて大脳に直接、伝達され、体のあちこちにいろいろな作用を及ぼすと考えられています。

 

■ その作用には生理作用、心理作用、殺菌・消毒作用、生体リズムの調整作用、老化防止作用、免疫調節作用などが考えられています。

 

■ 臨床的には食欲不振、不眠、ストレス、発熱、疼痛、気管支炎、花粉症、リウマチ、便秘、下痢、うつ状態、乗り物酔い、高血圧などに効果があるとされています。

 

■ これらは東洋医学で用いられる漢方薬にも通じるものがあり、事実、ハーブのいくつかは漢方薬の成分でもあります。

■ ハーブの芳香は植物の中にある油包と呼ばれる油の粒から発生します。これは直径が0.1mmくらいの小さな粒子で、蒸気により抽出され、エッセンシャルオイル、または精油と呼ばれます。

 

■ これらは入浴剤としてお風呂につけたり、専用のポットで暖めたり、お香に入れて焚きます。

 

■ 花や葉をドライにして、ハーブポプリとしてお部屋において香りを楽しむ方法もあります。

 

■ 人間の健康は、その行動、食物、および環境の性質によって定まることがしばしばあります。自然療法、自然治癒の考え方(自然素材を使い、人間の持つ自然治癒力を引き出すこと)はこのような事実から生まれてきました。

 

■ ハーブを用いた治療法は自然との共存という思想に根ざしています。

 

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